Blow the man down

 ソロの前後に合唱で歌われる部分は、殴りあっている者の周りを取り囲み、はやし
立てている様子を表しています。 当時人手不足を補うために、他の船の船員を力
ずくで拉致するという海賊まがいの船があったようです。 若い女の色香に迷い、一緒
に乗り込んだその船は、実はその手の船だったのです。

(A-1)Oh, blow the man down, bullies, blow the man down,
(A-1)To me way-ay blow the man down
(A-1)Blow the man down, bullies, blow him away,
(A-1)Gim-me some time to blow the man down.

(A-2)We went over the bar on the thirteenth of May,
(A-2)The Galloper jumped and the gale came away.
(A-2)Gim-me some time to blow the man down.

(*B)As I walkin' down Paradise Street,
(*B)A saucy young damsel I happen'd to meet.
(*B)I sez to her, Polly, and how d' you do?
(*B)Sez she, "Non the better for seein of you!"

(A-2)Oh,sailors is tinkers and tailor is men,
(A-2)And we're all of us coming to see you again.

(A-1)So we'll blow the man up and we'll blow the man down,
(A-1)And we'll blow him away into Liverpool Town.

(SEA CHANTIES:1981大阪メンズコーラス 編)

(A-1) 繰り返し言葉、掛け声、バックコーラス
(A-2) 口上
(*B) ストーリー

【解説】
全体の構成が理解できないと、何の事やらさっぱりわからない歌です。
単語はやさしいものばかりですので、この歌は解説のみにします。

As I was awalking 〜 から、
Sez she, "None the better 〜 まで(*Bの行)が本編の内容で、
その前後は繰り返し言葉や、口上みたいなものです。

(*B)
まず本編ですが、このアレンジでは途中で終っています。
この部分だけの意味は、
「パラダイス通りで女の子に声をかけたけど、
あっさり振られてしまった。」
というものです。
一般的には、出会った美女の誘いに乗り、
彼女といっしょに船出したが、港を出たとたん、
船員に殴り倒された(一種の海賊船だった)、
という内容で、最後は、女の言葉には気をつけろ、
という教訓で終っています。

(A-1)
Blow the man down と繰り返す部分は、
海賊船で殴られている時に、回りの人間が
はやし立てるような内容になっています。
Blow は、「風が吹く」ではなく、ここでは「殴り倒す」です。

(A-2)
前後の口上の部分の意味は、
Blow the man down の繰り返しを無視して考えます。

前の部分は、「副船長が飛び上がって喜んだ、嵐が去ったから
そうやって我々は5月13日に出港してきたんだ。」となります。
bar は港の一番外の防波堤の事で、
over the bar で、「船出した(出港した)」となります。

後の部分の2行、つまり sailor, tinker の行と、see you again の行で、
「それでは皆々様、また会う日まで。」
と、最後の幕を引く口上になっています。

参考までに述べますと、"tinker, tailor, soldier, sailor" で、
「あらゆる種類の人」という意味があります。
いろんな職業名を並べるおまじないの文句から来ています。
それを適当にもじっているものと思われます。
もう1つ、「7人の仕立屋で1人の男と同じ」
ということわざがあります。
Tailor は、弱い男のたとえにもなっています。

複数形の主語で動詞が is となっているのは、
船乗りという人種は・・・である、という使い方です。

(A-1)
最後の繰り返し部分は少し変わっていて、
遠くリバプールまで殴り飛ばせ
で終わっています。